テレビが映らない!強風でアンテナが倒れた時の自分でできる対処法とプロの予防策を徹底解説!
目次
近年は台風をはじめ強風や豪雨など、自然災害が増える傾向にありそれに比例する形でアンテナが倒れる家が多いです。中には倒れるだけでなく、強風・突風によってアンテナ自体が飛んでしまうことも散見されます。 一軒家に取り付けられたアンテナの設置方法が甘かったり、プロに依頼していたとしても年月が経過して支線が緩んでいると、傾いたり倒れたりといった事故が起きやすくなります。テレビ用のアンテナは非常に繊細であり、向きが適切な位置から少しでも変わってしまえば電波は受信できません。ここでは急にテレビが映らなくなって困っている方に、アンテナを元に戻すための対処法について解説します。
最初に試したいセルフ対処法
まずは強風で倒れたり、傾いてしまったアンテナを正常な状態に戻すべく立て直しおよび向きの調整に取りかかりましょう。
地デジアンテナと、BSおよびCS用の衛星アンテナは形状も向けるべき方角も異なります。
地デジ
アルミ製もしくはステンレス製の棒状のものが組み合わせられた形状の製品が地デジアンテナです。地デジアンテナの場合は、最寄りの電波塔へと向ける必要があります。
衛星放送
お皿のような形状の製品は衛星アンテナであり、こちらは文字通り人工衛星の方へと向けなければなりません。最寄りの電波塔の位置は、地デジアンテナ用電波塔のための検索サイトを利用することで調べられます。
衛星放送に関しては、専用の方向調整アプリを使って向きを調整することが可能です。なおベランダや窓の下にある庇の部分に設置しているのであれば、比較的容易に立て直しができます。しかし二階建ての屋根の上や、壁面の高い部分やベランダから届かない位置など立て直しおよび向きの調整が困難なケースも少なくありません。
二階よりも高い部分にある場合に関しては、無理に自身で調整しようとせずプロのアンテナ工事業者に依頼した方が無難です。加えてアパート・マンションなど共有のアンテナで視聴している場合に関しては、自分で対処する前にまず建物の管理人・大家さんに相談するのが先決です。
アンテナからのケーブルを確認する
地デジ用および衛星放送用アンテナを立て直して、向きの調整も行ったら次はアンテナから出ているケーブルが家の中へと繋がっているかどうかを確認します。
点検するポイントとして挙げられるのはアンテナ本体との接続部分、ケーブルの途中の部分と家の中へと続く点検口と呼ばれる部分の合計3つです。
本体との接続はもちろん、途中でケーブルが切れている場合は当然ながら家の中のテレビへと信号が伝わっていません。また本来ならば点検口へと続いているはずのケーブルが外れている場合も、同様に信号が伝わらずテレビが映らない要因となっています。いずれのケースにおいても、技術的にも知識的にも一般の方が対処するのは困難です。加えて高所での作業という大変な危険が伴うため、無理に作業をせず必ずプロのアンテナ取付業者に連絡して相談したり、作業を依頼したりするようにしましょう。強風および豪雨に見舞われた際、配線が外れたり断線している可能性もあるため入念にチェックします。本体にきちんと繋がっていて、途中で断線することなく点検口へと入っている場合は一旦屋外での作業は終了で、室内のテレビの点検をするために家の中へと戻ります。
テレビ裏のケーブルのプラグ部分の接触
屋外にてアンテナ本体からのケーブルがきちんと点検口に入っていることを確認したら、室内にてケーブルからテレビへと繋がっているかどうかをチェックします。
コンセントと同様に壁に取り付けられたアンテナ端子から、テレビの裏側へと伸びているか見てみましょう。よくある例として、テレビの裏側のアンテナ端子が外れているケースが挙げられます。外部機器と接続する時と同様、ケーブル同士がしっかりと接続されていなければ信号の受け渡しは不可能です。ケーブルの接続の有無はもちろん、端子・プラグの緩みも一緒にチェックしてください。一度取り外して、しっかりと取り付けてから様子を見ます。 テレビの他にゲーム機・BDレコーダーなどを接続している方は、一旦外してみることをおすすめします。もしこういった常時接続の外部機器を取り外して、通常通りテレビが映ったのであればその機器自体が故障している可能性が高いです。一方で他のテレビと端子を繋いで映るようであれば、該当するテレビ自体が故障している恐れがあります。ケーブル自体も点検が必要であり、一番故障の可能性が高いのがプラグの先端部です。軸の部分が折れたり、曲がったりして正常に動作しないようになるケースが多いです。
アンテナレベルをチェックする
アンテナから壁を経て、テレビへのケーブル接続に問題がなければアンテナレベルの確認へと移行します。
アンテナレベルとは受信強度のことであり、地デジ放送やBS・CS放送といったテレビ番組のための電波を受信する強度を表しています。テレビが映るものの、映像が揺れたりちらつきがあるなど不安定な場合はこのアンテナレベルの低下が疑わしいです。映像や音声が途切れたりする場合も同様であり、設定画面から確認しましょう。
メニュー画面から設定項目を選んで、電波の強度を示す項目を選択します。多くは本体設定からアンテナ設定を選び、電波および受信強度の表示へと進めば現在値が出てきます。このメニュー画面から設定画面への進み方はもちろん、レベルの目安の数値もメーカーや製品ごとに異なるため取扱説明書を確認しながらチェックしましょう。地デジの場合は各メーカーごとによって基準値が違いますが、BS・CS放送に関しては放映が安定するのは50以上という目安があります。ただ衛星放送に関しても一般的なデータであり、機種や製品をリリースしている会社ごとに異なるため、手持ちのマニュアルもしくは各社の公式ホームページの製品情報を参照すると良いです。
受信レベルの基準について
壁から伸びるアンテナケーブルが、テレビの裏の端子に接続されているか確認したり差し直したりして問題がなければ受信レベルのチェックへと移ります。無事に繋がっていることが分かれば、テレビの電源を入れて設定画面へと移行します。
ここでは受信レベルもしくはアンテナレベルの基準値として採用されていることが多い、50を目安として見ていきましょう。この場合は50以上であれば、ひとまず安定してテレビ放送を視聴することが可能です。
次に受信レベルが40前後であれば、安定はしていないものの悪天候下でなければ視聴には問題ありません。しかし強風が吹いたり、大雨や台風など自然災害に晒されると映像・音声が不安定になったり、最悪の場合は見ることができなくなるケースも考えられます。
レベルの数値が35以下であれば、ブロックノイズなどが入り映像が安定しなくなります。映像が見られない場合はもちろん、35~40程度の受信レベルであれば調整が必要です。一旦屋外に出てアンテナ本体の向きを調整したり、ケーブルの端子が外れかかっていないか確認するなど、画面を家族に見てもらいながら調整して50に近づけましょう。なお機種によって基準値が異なる場合があるため、取扱説明書は一度確認してみてください。
それでも映らない場合の対処法
アンテナの向きを調整したり、テレビの裏の端子を差し直したりといった方法の他にテレビや周辺機器の再起動が挙げられます。レコーダーやテレビ本体の不具合で、受信レベルが低下している可能性もあるため一度挑戦してみてください。電源を切ったのち、一度コンセントから抜いて数分間待ってから再びコンセントへと差し、電源を入れてみると良いです。また受信レベルを向上させるために、ブースターを導入してみるのも1つの手です。壁のアンテナ端子とテレビまでの距離が離れているほど、ケーブル内で信号の劣化が強まっていきます。テレビとケーブル端子の間に、ブースターを設置することで解消されることもあります。こういった手順を踏んでも受信レベルが35以上にならなかったり、それよりも低くてテレビが全く映らない場合はアンテナの撤去および交換をしなければなりません。自身で取り外せる方以外は、一度業者に問い合わせてみましょう。撤去や交換といった作業を依頼できるだけでなく、テレビが映らない場合の対処法について相談に乗ってくれる場合もあります。連絡する際はトラブルの内容もさることながら、行った対処について詳しく報告すると良いです。
強風で倒れないための予防策
受信レベルの調整が済んだら、今後強風に煽られても大丈夫にするための対策が必要です。
アンテナが強風でも転倒しないようにするには、安定した形状である八木式アンテナに変更することをおすすめします。
八木式アンテナとは魚の骨のような見た目が特徴であり、古くから採用されてきた種類です。地デジ放送へと切り替わった後も、全国的には主流のアンテナとして採用され続けています。屋根の上に設置することで、受信感度が非常に高まることが大きな利点です。電波が弱いエリアであっても、骨のパーツの部分を増やすことで感度が上げられます。本体の価格が安価であることもメリットであり、電波状況が良ければ工事費をかなり安く仕上げられるのは嬉しいポイントです。技術が向上した結果軽量化が進んで、大雨や強風に耐えられるようになったのも注目すべき点です。八木式アンテナを採用した上で、ワイヤーでしっかり固定すればより安心度が高まります。ただしこれまでベランダなど、比較的作業しやすい場所に取り付けられていたものが屋根の上へと変わるため、危険度が上がります。もしアンテナの取付作業に自信がなければ、プロの業者に依頼した方が安全です。
交換・撤去する際のアンテナの処分方法
あらゆる手段を試しても映らない場合、アンテナが故障している可能性が高いです。不要になったアンテナは、有料の粗大ゴミに出さなければいけないという規定があります。
八木式アンテナはもちろん衛星放送用の丸い皿のような形状のアンテナも同様に粗大ゴミに出します。衛星放送のアンテナの中でも、直径30cm以下の小型の室内アンテナに関しては不燃ゴミで出すことが可能です。地域によってはルールが異なることもあるため、居住している地区の市区町村の自治体に確認しておきましょう。
なお比較的新しいモデルであったり、新品および未開封の製品であれば買取に出すこともできます。買取であれば、相場額は定価の3割ほどとなっているためすぐに捨てずに問い合わせてみることをおすすめします。
屋根の上など、撤去の作業を行うのが困難である場合は業者に依頼すると良いです。アンテナの取付業者の他に、引っ越し業者やハウスメーカーでも取り扱っている業務です。ただこういった業者は撤去だけでなく、新規の設置作業とセットになっている場合が多いため注意が必要となります。再度設置する予定がある方は、次のモデルの候補も決めておくとスムーズです。
屋根のアンテナの対応はプロに依頼する
アンテナの撤去が終了したら、次は新しいアンテナの設置作業です。
自身の手で設置を考えている方はベランダや室内・屋根裏といったように、転落など作業中の危険性が低い場所に設置しましょう。屋根の上や、窓の下の庇の部分に設置するのは余程高所作業に慣れている方でないと危険です。角度や方向の調整も含めて、プロに頼った方が無難です。衛星放送など、小型のアンテナを付けるのであれば自力で行うこともできます。本体の箱に取付金具が同梱された製品が代表的であり、ホームセンターやネット通販などで購入可能です。特にBSおよびCS放送用のアンテナであれば、自宅のベランダに取り付けできます。ただマンションなどの集合住宅に住んでいる場合は、注意が必要です。一度管理人・大家さんに連絡して、許可を取ってから設置した方がトラブルになりません。撤去に加えて電波を受信することに適した場所の選定や点検口への配線作業、アンテナの向きの調整などが難しそうと感じた方はプロの業者に依頼することをおすすめします。特に屋根の上や壁の高い部分など、高所での作業を伴う場合は非常に危険であるためまずはプロの業者に相談してください。
アンテナ工事の業者に依頼する際のポイント
アンテナの撤去や取り付けは、高所での作業が必須であり常に危険がつきまといます。そのため専門的な技術をもっている経験豊富な業者に依頼することが大切です。加えてプロの業者に依頼する理由として挙げられるのが、専門的な電波測定のスキルの必要性です。ただ単に取り付けて終了という訳ではなく、電波を受信するための適切な位置や高さ、電波塔に対応した向きの判定もできなければなりません。なおプロに依頼した際の副次的効果として挙げられるのが、壁内配線やブースターなど周辺箇所の不具合の発見です。点検口の内部や屋根の上のケーブル類に関しては、不慣れな一般人にとってその状態や異常を確認するのは非常に困難です。そのためこういった細かい箇所の不具合などの点検、ケーブルの断線や機器の不調などもしっかり調べてくれる業者を選ぶことが重要になります。優秀な業者を見極めるには、ネットの比較サイトなどで相見積もりを依頼することがポイントです。一社の条件だけを見て決めてしまうと、相場価格や実施してくれる作業の詳細が適切かどうかが分かりません。必ず複数の業者と比較して検討するか相見積もりを行ってから業者を決めるようにしましょう。
次回倒れた時のための予防策
新規のアンテナを設置してもらう際、ただ電波の受信感度の良い場所に置いてもらえば良いという訳ではありません。再び強風によって倒れた際に、手軽に対処できるようにしておく必要があるからです。
屋根の上は設置場所としてポピュラーな箇所ではあるものの、強風などで倒れた際に自分で立て直したり方向を調整するのは難しいです。そのためもし可能であれば、ベランダに設置してもらうと良いでしょう。もちろん電波状況が芳しくない環境で、屋根の上しか良好な場所がないというのであれば仕方ありませんが、いくつかの場所が選べるのであれば手軽に調整できる場所を指定すべきです。手軽に調整しやすくて電波も良い傾向にある場所としては、ベランダが挙げられます。その他に一戸建ての場合は、庭も選択肢の1つになりえます。もしベランダでは電波がいまいちである場合でも、ブースターなどの周辺機器を併用することで設置可能となることもあるため、設置の相談をする際に業者に聞いてみると良いです。屋根以外にも数箇所設置できるのであれば、自力で対処しやすいベランダをおすすめします。もし屋根の他は厳しいのであれば、ある程度重量があるモデルを選んでしっかり固定してもらうことが大切です。
まとめ
強風や豪雨など、自然災害によってアンテナが傾いたり倒れたりしたことが原因でテレビが映らなくなった場合、立て直して向きを調整します。地デジ用であれば電波塔、衛星放送用の場合は人工衛星の方向へと向ける必要があります。アンテナの向きが原因でない場合はケーブルの断線やテレビの裏側の端子との接触不良、テレビもしくはアンテナの故障が原因の候補です。対処法を試しても分からない場合は、プロのアンテナ取付業者に依頼すると良いです。設置はもちろん点検口への配線の具合、周辺機器の異常などプロならではの視点で解消できる可能性があるため、まずは無料調査を依頼してみましょう。